「肩こりがひどくてなかなか治らない」
「マッサージに行くと楽だけど、またすぐ戻ってしまう」
「肩こりを改善、解消する方法は?」
と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
私も30年間以上、肩こりに悩まされていました。そんな私が肩こりを軽減できたポイントは、自分に合った方法を見つけたことと、それを今も継続していることです。
この記事では、以下の内容を紹介します。
- 肩こりとは
- 肩こりの5つの原因
- 肩こりを軽減、解消する5つの方法
- 肩こり軽減グッズおすすめ3点
- 治らない肩こりに潜む危険な病気
- 肩こりの予防
ぜひこの記事を参考に、なかなか治らない肩こりから解放されましょう。
目次
肩こりとは
肩こりとは、肩周辺の筋肉の緊張が原因で痛みや詰まった感じになる状態のことを指し、以下の流れで発症します。
- 硬くなった筋肉が血管を圧迫する
- 血行不良になる
- 疲労物質が排出されなくなる
肩こりを根本から治すには、肩周辺の筋肉の緊張状態の原因を解消することが重要です。
「マッサージに行くと楽だけど、またすぐ戻ってしまう」という声を聞きますが、それは、肩こりの原因を解決していないからかもしれません。
マッサージに行ってほぐれたと思っても根本時な緊張状態の原因を解消していないので、肩こりをくり返してしまうのです。
肩こりが治らない5つの原因
肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることで肩こりになりますが、その緊張の原因は以下の5点があげられます。
- 同じ姿勢や悪い姿勢をとりつづけている
- 目が疲れている
- ストレスが溜まっている
- 筋肉が衰えている
- 体が冷えている
詳しく解説していきます。
1. 同じ姿勢や悪い姿勢をとりつづけている
以下のようなことに当てはまる方は、肩こりになりやすい状態になっています。
- デスクワークで同じ姿勢でいる
- スマホを使用し長時間下を向いている
- 車の運転で座ったままの状態が継続してる
このように長時間同じ姿勢でいると、筋肉が緊張し、血行が悪くなります。
また、姿勢が悪い(猫背、前傾姿勢)ことも筋肉が緊張し続けるので、肩こりの原因となります。
2. 目が疲れている
パソコン、タブレット、スマホの使用は、眼精疲労につながります。とくにパソコンのブルーライトは目が疲労するので注意が必要です。
また、眼鏡やコンタクトレンズの度数が目と合っていない場合、目が疲労することは言うまでもありません。
目を長時間酷使していると、目のビントを合わせる筋肉が疲労し、調節する力が低下します。
見えづらい状態でいると脳が不快に感じ、調節しようと肩や首、背中の筋肉を緊張させ、肩こりが起こってしまうのです。
3. ストレスが溜まっいる
ストレスが溜まると自律神経が乱れます。
自律神経:自分の意思ではコントロールできない神経
- 体温を調節する
- 呼吸をする
- 排泄物を出す など
さらに自律神経には以下の2種類あります。
自律神経の種類 | 役目 |
---|---|
交感神経 | 運動、緊張している時に働く神経 |
副交感神経 | 睡眠、リラックスしているときに働く神経 |
私達は、無意識の中で交感神経と副交感神経をスイッチしながら生きています。
ところがストレスが溜まるとスイッチがうまくできなくなり、交換神経が優位に働き、緊張状態が続いてしまうのです。
筋肉が緊張していると血行が悪くなり、肩こりの原因となります。
4. 筋肉が衰えている
私達の頭の重さは、5~6㎏あります。その頭を首と肩、背中で支えています。
さらに腕は体重60㎏の人で3.5㎏の重さ。腕も肩の筋肉で支えているのです。
このようにもともと肩周辺の筋肉には相当な負担がかかっています。
運動不足や加齢で肩と背中の筋肉である「僧帽筋」が衰えると、前かがみの姿勢になり、肩まわりの筋肉に負担がかかって、肩こりになってしまいます。
5. 体が冷えている
体が冷えると血管が収縮し、血行が悪くなります。そして筋肉に老廃物が溜まり、筋肉が緊張し続け、肩こりがおこります。
とくに以下の生活習慣の人は、体が冷えやすい状態になっているので要注意です。
生活習慣 | 症状1 | 症状2 | 結果 |
---|---|---|---|
不規則な生活が続いている | 自律神経が乱れる | 血行が悪くなる | 体が冷える |
体を締め付けるような下着、服装をしている | 血管を圧迫する | 血液循環が乱れる | 体が冷える |
運動不足 | 筋肉が衰える | 熱が生み出せなくなる | 体が冷える |
冷えは万病の元と言われていて、体が冷えると血行が悪くなり、肩こりになって、さらに老廃物が溜まり続けるという悪循環に陥ってしまいます。
なかなか治らない肩こりを軽減・解消する5つの方法
肩こりを軽減、解消するには、肩まわりの筋肉の緊張をとり、血行のよい状態を保つことがあげられます。具体的には以下の5つの方法がおすすめです。
- 姿勢を改善する
- 眼精疲労を回復させる
- ストレスを発散させる
- 運動・ストレッチ・マッサージをする
- 体を温める
ひとつずつ解説します。
1.姿勢を改善する
肩こりを解消するには、猫背や姿勢の歪みを改善し、正しい姿勢を保つことが重要です。
具体的には立った時、以下のポイントが一直線になっているようにしましょう。
- 耳
- 肩
- 膝
- くるぶし
ただし、楽な姿勢で立っているとき、耳からくるぶしまでのパーツが一直線になることは、ほとんどありません。
何も意識しないで立つとほとんどの人がクセのある悪い姿勢になっており、筋肉が凝り固まっています。
始めは良い姿勢を保とうとすると疲れを感じますが、鏡を見ながら根気よく修正し、意識してなおしていきましょう。
2.眼精疲労を回復させる
目の疲れを感じるときは、以下のことを試してみてください。
- パソコン作業は50分継続したら、10分休むなど、意識して休憩する
- 遠くを見る
- 眼鏡、コンタクトレンズの度数を目に合わせる
- ホットタオルなどで目をあたためる
- 眼球を上下左右に動かしたり、ぐっと閉じた後パッと開けたり、ぐるぐる回したりして、目のまわりの筋肉をほぐす
- 目と眉毛の間のくぼみを指でマッサージする
どれも今日から始められるものばかりです。
お手軽と思える方法から、試してみてください。
3. ストレスを発散させる
ストレスの原因になる代表例は以下のようなものがあります。
- 親の介護
- 職場の人間関係
- ご近所とのトラブル
これらを根本から取り除くのは難しいため、とにかく溜めないことが重要です。
ストレスを発散せずに我慢していると、自律神経が乱れて緊張状態が続いてしまいます。
気持ちの切り替えをするため、以下のような「ストレスから解放される時間」を取り入れてみてください。
- カラオケに行く
- 絵を描く
- スポーツをする
このように小さな行動で十分です。好きなことをする時間を作ったり、心身ともに安らげる時間を作ったりして、リラックスしましょう。
4. 肩や背中の筋肉をほぐす
肩や背中の筋肉をほぐすには以下の3つの方法が効果的です。
- 運動
- マッサージ
- ストレッチ
手軽にできる方法を紹介します。
運動
肩と背中の筋肉である「僧帽筋」が衰えると、前かがみの姿勢になり、肩まわりの筋肉に負担がかかり、肩こりになってしまいます。
「僧帽筋」を動かす運動がおすすめです。肩甲骨を動かすイメージで、肩をまわしたり、肩甲骨を寄せたり、広げたりしてください。
特に「肩甲骨はがし」と呼ばれる運動が効果的です。
肩甲骨はがし運動(基本)
- 右手で右肩を軽くつかむ
- 左手で左肩を軽くつかむ
- 肩をつかんだまま肘をできるだけ遠くに大きく回す
- 反対回しをする
デスクワークや家事の合間にできます。まず、1分間やってみましょう。
ストレッチ
頭、肩を支えている「憎帽筋」や首を意識してストレッチを行います。ストレッチは、ゆっくり、筋肉を伸ばすイメージで行いましょう。
イスに座ったままストレッチ
- 両手を組んで腕を伸ばし、頭の上 で伸ばす
- 息をはきながら、10秒間ゆっくりキープ
3.腰からひねって、うしろを向く
4.左右両方、息をはきながら、10秒間ゆっくりキープ
背中の筋肉が伸びていることを感じながら、気持ちよいポイントでキープすることがコツです。
マッサージ
「僧帽筋」をマッサージするには、ポールやローラーを利用し、肩甲骨まわりをほぐすことが効果的です。
ポールを使ったマッサージ
- ポールに背骨をあてるように仰向けになりリラックスする
- 床に手の甲をつけたまま上下に動かす
3.両手を天井に向かって伸ばす
4.両手は伸ばしたまま、肩の力を抜き、両方 の肩甲骨でポールをはさむようにする
ポールをベッドサイドに置いて、寝る前に行う習慣をつけてみましょう。
リンパの流れもよくなるので良質な睡眠も得られ、肩こり解消と一石二鳥です。
5.体を温める
入浴時、湯船に浸かって体を温めることはとても有効です。
ゆっくり湯舟に浸かると全身の血行が良くなり、緊張もほぐれます。肩にシャワーをあてることも肩こり解消につながります。
とくに冬は、肩や首を暖かくするような服装を選びましょう。マフラーやストールを1枚追加することも有効です。
カイロなども適宜使用すると血行がよくなって、肩こり軽減につながります。
また夏は、冷房の風に直接あたらないように気を付けましょう。
治らない肩こりを軽減するおすすめグッズ3
肩こり軽減グッズは、数多くあります。新しく改善された商品が次々に出ますので、以下のおすすめグッズ3点をぜひチェックしてみてください。
- 枕
- ハンディマッサージ機
- 肩・首を温めるグッズ
肩こり軽減グッズの購入を考えている方に、選択のポイントを紹介します。
1.枕
枕を選ぶ時は、正しい寝姿勢で頭、首、背中に隙間ができないもの、寝返りを打ちやすいものを選びましょう。
仰向けの時は首、頭にフィットすること、横向きになった時は首、肩の曲線にフィットするものを選ぶことがポイントです。
寝返りしやすい幅が必要で、60㎝ほどが適度といえます。
素材も豊富以下のように豊富です。
- ウレタン
- ファイバー
- ポリエチレンパイプ
- 綿
- 羽毛
- そばがら
毎日使用するモノですので洗える素材という点を重視すると、ファイパーやポリエチレンパイプがおすすめです。
2.ハンディマッサージ機
ハンディマッサージ機は肩こり部分に振動をあたえることで痛みを軽減させます。
手で「揉む」「たたく」などの行為は、せいぜい1分間に100回程度の刺激しかあたえられません。
ところが、ハンディマッサージ機は、1分間に3000回~6000回も刺激が可能なのです。高速振動が筋肉の深層部に届き、血流の滞った部分を刺激して、緊張をほぐしていきます。
ハンディマッサージ機の中でも近年は以下の理由でガンタイプのマッサージ機に人気が集まっています。
- コードレスで軽量なので扱いやすく、ピンポイントで凝った部分にあてらる
- アタッチメントが豊富で、背中、腕にも使用できる
- 隙間時間に利用できるので習慣化しやすい
簡単で手軽に速くほぐせるところが魅力です。
3.肩・首を温めるグッズ
肩、首を温めると血行がよくなり、緊張がほぐれて肩こりが解消されます。
従来の使い捨てカイロは効果があります。
「電子レンジで温めて使用するカイロ」や「あずきが内蔵された温感パット」はゆっくり深部まで温まる上、250回程度使用できるものもあり、経済的です。
あまり知られていないものでは、低周波治療器があげられます。「温感モード」搭載機器はじんわりと温まり、肩こり軽減に役立つのでおすすめです。
治らない肩こりに潜む危険な病気
ただの肩こりだと思っていたら、病気が隠れている場合があります。治らない肩こりに潜む非常に危険な病気を3点上げますので、ぜひ注意してください。
- 狭心症・心筋梗塞
- 椎椎間板ヘルニア
- 肺がん
分かりやすく解説していきます。
1.狭心症・心筋梗塞
愛知医科大学岩堀裕介特任教授(現: スポーツ医学・関節センター長、あさひ病院)監修のNHK健康チャンネルによると、肩こりとともに体を動かすときに息切れしやすくなった場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性があるとのこと。
とくに肩こりを突然感じて突然消える場合や、胸の締めつけ感を伴う場合は要注意です。
心臓に痛みを感じるべきところ、放散痛(他の場所に痛みを感じてしまう症状)として、左肩に痛みが出るときがあります。このような場合は、すぐに受診しましょう。
2.頚椎椎間板ヘルニア
肩こりだけでなく、以下のように体の各部分に症状を感じたら要注意と伊東くりにっく監修の頚椎椎間板ヘルニア治療ガイドでは解説しています。
体の部分 | 症状 |
---|---|
首・背中・腕・手・指 | しびれる、痛い、だるい、つっばる、ジンジンする |
できるだけ症状が軽いうちに医師の診察を受けた方がよいと注意喚起しています。 なぜなら頚椎椎間板ヘルニアの可能性があるからです。
頚椎椎間板ヘルニア:脊椎の神経が圧迫され、頚椎の間にある椎間板がとびだして神経を圧迫するため起こる
運動をしても肩こりが治らない、肩のほかにも痛みやしびれを感じる場合などは、頚椎椎間板ヘルニアの可能性を疑い、まず受診してください。
3.肺がん
肺がんは、肺の細胞の遺伝子が傷つくことで発生します。傷つくと肺の細胞が異常に増殖し、かたまりとなったものががんです。細胞が増える時、周囲の細胞を圧迫し肩こりと同じ痛みを引きこす場合があります。
東京がんクリニック監修のがんに関する基礎知識では、肺がんの初期症状を見逃してしまう危険性を指摘しています。
肩こりと同時に以下のような症状が伴うようであれば、速やかに医師の診断を受けるべきです。
- 咳
- 喀血
- 息切れ
- 体重減少
- 疲れやすさ
- 声のかすれ
肺がんの早期発見につながれば、治療の成功率も上がるのでためらわずに受診しましょう。
治らない肩こりはない!普段から軽減・解消する方法を実践して予防しよう
本記事では、肩こりのメカニズムを解説し、原因を究明しつつ自分でできる痛みの解消法と対策を紹介しました。
肩こりとは、肩や背中の筋肉の緊張がまわりの血管を圧迫して、血行不良になり、さらに疲労物質が排出されない状態のことです。
まず、自分自身の肩こりの原因を探りましょう。
- 同じ姿勢や悪い姿勢をとりつづけている
- 目が疲れている
- ストレスが溜まっている
- 筋肉が衰えている
- 体が冷えている
そしてその原因を解消する対策をたてましょう。
- 姿勢を改善する
- 眼精疲労を回復させる
- ストレスを発散させる
- 運動、ストレッチやマッサージをする
- 体を温める
同時に治らない肩こりに潜む危険な病気には、細心の注意が必要です。病気が隠れていないことを確認してから、あらためて頑固な肩こりに向き合いましょう。
「肩こりがひどくて治らない」とあきらめないで、「肩こりがなくなって、軽くなった自分」をはっきりイメージして改善していくことが大切です。
ぜひ本記事を参考に、まず1分間「肩甲骨はがし運動」から始めてみてください。